弁護士コラム
【弁護士コラム】遺産の使い込みの調べ方

こんにちは。
相模原の弁護士の多湖です。
今日は、相続(遺産分割、遺留分侵害額請求)に際して、被相続人の遺産を管理していた者の、無断での引き出しや、遺産の使い込みの調べ方についてです。
相続人の一人が、被相続人を生前から囲い込み、会わせないようにしたりして、一人で財産を管理し、遺産の使い込みがあとで発覚するというのはよくあります。
使い込んだ側の理由としてよく挙げられるのは、「親は自分が死んだらくれると言っていた。」「どちらにせよ相続で自分のものになるのだから一緒でしょ。」「自分の生活費も自由に出していいと言われた。」「私はこれだけ大変な思いをしたのだから当然」といった理由です。
親が認知症で介護施設に入所していた場合などでは、数千万円単位の使い込みや無断引出しがあることも多いです。
今日は使い込みや無断引出しの調べ方について解説します。
遺産を管理していた相続人への遺産の開示請求
まず初めに、遺産を管理していた相続人へ被相続人の遺産の資料について、開示を求めるのが一歩目です。
不動産は不動産登記が法務局に保管されているため、贈与や売買の履歴は調べればすぐに分かりますし、有価証券なども現在は、必ず金融機関の預金口座を経て手元に来ますから、銀行の通帳や取引履歴の開示を求める必要があります。
その場合は、施設への入所時や、財産の管理が始まった時期からの開示を求めましょう。
ネットバンキングは、一年程度の記録しかウェブで確認できないため、基本的に郵送での取り寄せが必要になります。
私の経験では開示を求められた場合、財産を管理していた相続人が正直に開示するパターンもありますが、使い込みがある事案だと正直に開示してもらえることはまずありません。
通帳は捨ててしまったとか、相続の話をすると「金目当てか」などと言われてしまうことがあります。
この点、相続人であれば、戸籍など必要な書類があれば開示請求を求めることは可能ですから、銀行名などが分かっている場合は銀行に取引履歴の開示を求めれば、費用はかかりますが、開示自体は可能です。
銀行名が分からない場合は、相続税の申告書の控えを入手したり、被相続人の住所の最寄りの銀行等を調査したり、一部開示された通帳等の履歴に登場する金融機関名から辿っていく方法があります。
弁護士や裁判所を通じた開示請求
相続に関してだけいえば、相続人が自身で開示請求をした方が簡単ではありますが、弁護士や裁判所でも取引履歴の開示請求は可能です。
ご自身で行う方が難しい方は、弁護士に依頼をして開示請求を行うのも一つです。
もっとも、弁護士は遺産分割請求や不当利得返還請求など、具体的な法律事務の処理をする場合にのみ弁護士会照会などの手続きを行うことが出来るため、財産の開示だけを目的にしてそれらの手続きを利用することは出来ないため注意が必要です。
取引履歴の精査
取引履歴で使い込みや無断引出しが伺われる場合は、財産管理を始めた後、あるいは亡くなる数か月前から、50万円などATMの引出限度額ちょうどの引出しが繰り返され、被相続人の生前の生活スタイルからはおよそあり得ない金額が毎月引き出され、最終的には残高がゼロになっているケースがあります。
私の経験上、大体が現金引き出しで、相続人の最寄りのATMが多いです。自分の銀行口座宛てに堂々と送金する人は稀です。
残高をゼロにしようとするのは、遺産分割時には、相続開始時(死亡時)の残高を開示するのが原則であるため、残高をゼロにしておけば、バレることはないという発想です。
あるいは、預金しか遺産がない場合、残高をゼロにしておけば今更口座を解約する必要もないため、他の相続人への遺産分割を求めず、被相続人が亡くなったこと自体を隠しておくということさえあります。
しかしながら、取引履歴は遡ることが出来ますし、生前の無理な引出しは、相続税上も遡って課税されますし、他の相続人の不信感を招くだけですから、リスクが高いだけでお勧めできません。
自分で相続税の申告をしてしまい、あとで国税に生前の引出しを指摘されるというケースもあります。
弁護士に相談をする
使い込みや無断引出が明らかになった場合、数十万円程度であれば、大目にみるか、相続の過程で清算してもらう方がいいですが、その金額が数百万円、数千万円と多額の場合は、使い込みをした相続人としても背に腹は代えられないため、返還に応じることは稀です。
その場合、訴訟等の対応が必要になりますので、弁護士に相談する必要があります。
以 上
関連コラム
- 平日(月~金)
- 初回相談30分無料その後、30分ごとに 5,500 円 (税込)
- 土・日・祝日
- 30分ごとに 5,500 円 (税込)
予約枠が空いている場合は、即日や夜間土日祝日での法律相談も可能です。
夜遅くまで相談を受け付けていますので、日中帯に都合がつかない方はご利用ください。
無料法律相談は、無断キャンセルまたは複数回キャンセルの場合は、次回以降のご予約を承れない場合がございます。
※ 電話でのご相談・匿名での
法律相談には応じかねますので、ご了承ください。
※ご予約で夜間土日祝対応可能










