弁護士コラム
【弁護士コラム】所有不動産記録証明制度とは

こんにちは。相模原の弁護士の多湖です。
今日は、相続財産として不動産がある場合の財産調査の方法についてです。
相続財産に不動産があると考えられる場合、どのような方法で、どこに不動産があり、かつそれが遺産に含まれているかの確認をすれば良いでしょうか。
不動産を取りこぼしなく調査する
被相続人の方がきっちりした方で、「自分の不動産の全てについて登記情報等の資料と共に一覧にしてあり、それが正確である」と考えられるのであれば、不動産について追加の財産調査というのは特に必要がありません。
しかしながら、相続においては、不動産を持っていることは聞いたことがあるけれども詳細な情報がないとか、マンション経営をされていたり、別荘などを有している場合や、不動産自体は一つでも、分筆が多く色々な地番に分かれている場合、私道などがある場合など、不動産の情報をきちんと収集しなければ取りこぼしが生じることがあります。
筆者自身も、「既に遺産分割協議が済んでいるにも関わらず、不動産がいくつか漏れていたため、不動産売却時などに問題になり、追加の遺産分割をしようとしたら、当時の相続人が死亡していた場合にどうすればいいか」などの、複雑な事案のご相談を受けることもあります。
それでは、不動産を取りこぼしなく調査するには、どのような方法があるのでしょうか。
土地・家屋を所有者ごとの一覧にまとめた「名寄帳」
一つは、「名寄帳」と呼ばれる資料です。これは市区町村が固定資産税の課税対象となる土地・家屋を所有者ごとの一覧にまとめたものです。
名寄帳には、未登記建物などを含む個人名義の全不動産が記載されているため、財産調査にとって有用なので、被相続人が所有していた不動産が明確でない場合の遺産分割案件に携わる弁護士は、基本的に取り付ける資料です。
問題は、名寄帳は、自治体ごとに管理しており、現時点(令和8年4月30日)では自治体ごとに取り付ける必要があります。
所有不動産記録証明制度
これに対して、2026年2月から、法務局が有している不動産の登記記録情報について、相続人が被相続人の氏名及び住所で、全国の登記情報を調べることができる制度【所有不動産記録証明制度】がスタートしました。
< 法務省 所有不動産記録証明制度について >
🔗https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html
これまで、相続財産に属する不動産を調べる場合には、相続人が把握している不動産の情報から登記情報を収集し、それ以外も不動産がある可能性がある場合は、心当たりのある自治体の名寄帳を取り付けて、不動産の登記情報を個別に申請するという段取りでしたが、この所有不動産記録証明制度を利用すれば、登記がされている不動産については一度に検索することが出来るため、不動産の取りこぼしを避ける上で、有用な制度となります。
所有不動産記録証明制度の注意点
しかしながら、あくまで法務局が把握している不動産情報であるため、未登記物件は引き続き対象外です。未登記建物がある可能性がある場合は、やはり名寄帳の調査を外すことは出来ません。未分割の不動産を残し、かつ、勝手に建物等の解体をすると、刑法上の犯罪(建造物損壊罪)になる可能性があるためです。
一部では、この制度を【全国名寄帳】という呼び方をする向きもあるようですが、名寄帳の代わりにはならないため、注意が必要です。
不動産を探す際に、初手でこの検索を利用するのは良いと思いますが、それ以外にも未登記建物などがある可能性がある場合は、やはり名寄帳を取り付ける必要があります。
建てたり壊したりを繰り返していたり、土地の上にたくさん建物が建っている場合などは、名寄帳を取って、登記情報と見比べた方が無難でしょう。
以 上
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