多湖総合法律事務所 多湖総合法律事務所

042-711-7142
電話受付時間
平日9:00~18:00
※ご予約で夜間土日祝対応可能
無料法律相談はこちら
取扱い業務一覧を見る

※ 電話でのご相談・匿名での法律相談には応じかねますので、ご了承ください。

042-711-7142
営業時間
平日9:00~18:00
定休日
土 日 祝日
無料法律相談はこちら

弁護士コラム

【弁護士コラム】離婚手続きと婚姻費用、養育費の先取特権の活用

離婚

こんにちは。相模原の弁護士の多湖です。


2026年4月から、離婚に関連して制度が大幅に変更されると共に、婚姻費用と養育費の支払関係も大きな改正がありました。養育費や婚姻費用の支払が滞らないことは自分や子の生活を維持する上で、最低限必要なことです。

今日は、先取特権を証明する、文書による担保権実行について解説します。

先取特権に基づく「担保権実行」は、「強制執行」と呼ばれるものとは別の手続きになります。

これまで、婚姻費用や養育費の差押えをするには、債務名義(=調停調書、審判書、判決、強制執行受諾文言付きの公正証書)が必ず必要でした。

今回の民法改正で、裁判所等が関与していなくても、令和8年4月以降に発生する婚姻費用(子どもの監護費用に限る。)と養育費については、「先取特権」という権利に基づいて、いきなり給与等の差押えをするという可能性が開けました

婚姻費用(但し、子の監護費用のみ)について

まず、婚姻費用ですが、別居をする際などに離婚が成立するまでの婚姻費用額に関する念書や合意書を取り交わすことがあります。

婚姻費用のうち、子の監護費用(離婚後の養育費相当額)合意書の書式としては、添付の書式を参考としてご利用ください。

婚姻費用の先取特権に基づく差押えは、子の監護費用のみに認められますので、夫婦のみの場合は認められません。


子どもがいる場合は、子の監護費用の先取特権として、子1人当たり8万円までという法務省令の上限額まで差押えが可能です。

例えば、「婚姻費用額」が月10万円で子どもが1人の場合は差押額は8万円、「婚姻費用額」が月20万円で子どもが二人の場合は、16万円までの差押えです。

別居時に、パソコン等で書式の用意が出来ず、慌てて手書きで作成する場合でも、

 (1) 合意書のタイトル
 (2) 合意をした二人の氏名、住所及び署名押印
 (3) 日付
 (4) 離婚が成立する日まで、婚姻費用として毎月金〇〇円を当月払いで月末までに支払う。

といった内容がきちんと記載されていれば問題ありません。


先取特権に基づいて給与の差押え等の担保権実行を行うことで、子の監護費用分については、一部先に確保することが出来ますから、先行して申立てをしても良いかもしれません。

ただ、先取特権で担保権実行をしても、子ども一人当たり8万円までであることからそれ以上の回収が出来ません。

そのため、別居時に本人たちで婚姻費用の合意書を作成していたとしても、子ども一人当たり8万円を上回る婚姻費用額である場合など、正式に強制執行をしたい場合には、婚姻費用分担調停の申立てが必要になりますから、注意が必要です。

子どもがいる場合で、もともとの婚姻費用が少ない場合は、先取特権に基づく差押えだけで十分かもしれませんが、婚姻費用が高額になる場合などで、どうしても支払いをして貰えないときには、調停調書や審判書をもらうまでの、あくまで「つなぎ」として機能する場面が多いかもしれません。

養育費について

養育費について、離婚調停や離婚裁判で取り決めたり、公正証書で取り決めている場合は、これまでどおり、全額について強制執行が可能です。

当事者間の離婚協議書において、養育費額についてきちんと定めがあり、かつ子ども一人当たりの養育費が8万円に満たなければ、先取特権に基づいて差押えが出来ます(それを超える場合は、強制執行のために養育費額を定める養育費調停が必要になります)。

先取特権の存在を証する文書

先取特権に基づく担保権実行(差押え)をするためには、婚姻費用や養育費の合意を証する文書が必要です。

これは合意書に限られませんが、文書ですので、「〇〇円支払うから。」といった口頭の合意では認められません。

メールやLINEでのやり取りも理論的には該当する可能性はありますが、アカウントが配偶者のものであるということを文書で証明することが難しいことや、会話の流れになってしまうと、それが確定的な合意といえるか、結局いくらで合意したか判断できない場合なども多く、先取特権を証する文書としては認められない可能性があります。

そのため、手書きでもいいですから、今回ご紹介した内容で合意書を作成することをお勧めします

婚姻費用、養育費の先取特権に基づく担保権実行(差押え)の書式

リンク先の裁判所のホームページに、先取特権に基づく担保権実行(差押え)の書式があります。以下では給与の差押えをする際の方法をご紹介します。

申立先は、(元)配偶者の住所地を管轄する裁判所になります。

<婚姻費用に基づく差押え>
https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section21/koninhiyou_saiken/index.html


この中の「婚姻費用に基づく担保権実行」のタイトルが該当の書式です。

【書式】婚姻費用に基づく担保権実行の申立てのWordファイルに、記載例にしたがって、必要情報の入力をします。


【当事者目録】「債権者」が自分です。
債務者は請求相手の(元)配偶者です。

第三債務者は、相手の勤務先などを記入することになります。

【担保権・被担保債権・請求債権目録】

1. 担保権の欄

担保権の欄は、子どもの人数を書いてください。

2. 被担保債権

被担保債権「確定期限が到来している債権」とは、要するに未払いになっている金額の合計で、申立日に既に発生している金額を入力します。

例えば、当月払いの月末支払期限の定めであれば、4月1日申立てなら3月分まで発生しています。

「確定期限が到来していない各定期債権」とは、合意書等で取り決めた金額(婚姻費用は子どもの分を記載。)です。

3. 請求債権の欄

請求債権の欄は、(1) 申立てまでに既に発生している未払いの金額と、(2) 執行費用を記載します。

執行費用の「本申立手数料」は印紙代のことです。

「差押命令正本送達費用」は、予納する裁判所の所定の郵券(切手)代ですが、郵券代は郵便料金の改定で変わることがあるため、事前に裁判所の執行係に確認するのが無難です。

「資格証明書交付手数料」は、給与の差押えの場合は、配偶者の勤め先の会社の現在事項証明(法務局で取得でき、本社の住所や、代表取締役などの情報が記載されています)の手数料です。


申立書作成及び提出費用は、定額で1000円とされています(令和8年4月現在)。
申立書を作成したら、申立手数料(収入印紙)の4000円(一回分)、郵便切手を添付して提出しましょう。

また、ご本人で申立てをする場合は、簡単な訂正であれば教えてもらえるので、窓口での申立てがお勧めです。                       

以 上

関連コラム

無料法律相談は、事前予約制となっております
平日(月~金)
初回相談30分無料
その後、30分ごとに 5,500 円 (税込)
土・日・祝日
30分ごとに 5,500 円 (税込)
相続のご相談の場合、平日初回相談 60分無料
相続のご相談の場合、
平日初回相談 60分無料
その後30分ごとに 5,500 円 (税込)

予約枠が空いている場合は、即日や夜間土日祝日での法律相談も可能です。
夜遅くまで相談を受け付けていますので、日中帯に都合がつかない方はご利用ください。
無料法律相談は、無断キャンセルまたは複数回キャンセルの場合は、次回以降のご予約を承れない場合がございます。

お急ぎの方は、お電話にてご予約ください
お急ぎの方は、お電話にてご予約ください

※ 電話でのご相談・匿名での
法律相談には応じかねますので、ご了承ください。


電話受付時間 / 平日 9:00 ~ 18:00
※ご予約で夜間土日祝対応可能
Top