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弁護士コラム

別居したらすぐに「婚姻費用調停」を申し立てるべき理由。

離婚
別居したらすぐに「婚姻費用調停」を申し立てるべき理由。-1

相模原の多湖総合法律事務所です。

今日は、「別居したら一日でも早く婚姻費用調停を申し立てるべき理由」についてです。

話し合いでまとまるなら調停は不要。

もちろんですが、相手方が柔軟で話し合いでまとまる余地があるのであれば、調停は不要です。

但し、相手方が考えを変えて婚姻費用を支払わなくなることがありますので、合意の内容を「合意書」や「念書」といった形で残しておいた方が無難です。

ラインやメールのやり取りで行う場合にも、合意の①年月日 ②毎月の支払額 ③支払期限(毎月末日限りなど)④支払方法などは証拠として残しておきましょう。

支払合意がない場合、婚姻費用や養育費は原則として過去に遡って請求ができない。

公正証書や、自分たちで作った合意書、メールなどから確定的な合意が読み取れる場合、未払分の婚姻費用や養育費を過去に遡って請求することが出来ます。

しかし、これらの合意がされていない場合、今まで婚姻費用や養育費の確定的な請求をしていなかった場合、過去分に遡って請求することは原則的に認められないケースが多いです。

婚姻費用や養育費の場合、支払いの開始時期は、実務上、権利者が婚姻費用や養育費の分担請求をした時期とされていて、通常は、調停や審判の申立てをした時とされることが多いからです(東京家事事件研究会編『家事事件・人事訴訟事件の実務』〔法曹会、2015〕96頁参照)。

東京高裁も以下のように述べています。

東京高等裁判所昭和60年12月26日決定
原審判は、相手方の本件婚姻費用分担義務の始期について、抗告人が確定的に請求の意思を表明するに至つた本件調停申立受理の月である昭和五九年九月と解し、同月分からの分担義務を課しているところ、抗告人は抗告理由(2)において、相手方が家を出て別居状態となつた昭和五四年一二月を分担義務の始期とすべきであると主張する。しかしながら、婚姻費用分担義務の始期は、同義務の生活保持義務としての性質と両当事者間の公平の観点から考えれば、権利者が義務者にその請求をした時点と解すべきである。したがつて、昭和五九年九月分からの分担義務を課した原審判は相当であつて、右主張を採用することはできない。

一般的な感覚からいえば、結婚した時から、あるいは子どもが生まれた時から、生活費というものは常に発生し続けているわけで、それを払ってもらっていなかったのだから、過去に遡って請求できるしょう?と思いがちですが、判例はそのように考えていないわけです。

内容証明や具体的なメールを送っていればその時点から認められることもある。

他方で、内容証明郵便や具体的なメールで確定的に養育費等の請求をしていた場合について、裁判所は以下のとおり述べています。

東京家庭裁判所平成27年8月13日審判
その分担の始期については、婚姻費用分担義務の生活保持義務としての性質と当事者間の衡平の観点からすると、本件においては、申立人が相手方に内容証明郵便をもって婚姻費用の分担の意思を確定的に表明するに至った平成26年1月とするのが相当である。

争われると嫌なので金額の合意が難しければすぐに調停を申し立てるべき。

じゃあ、きっちりと内容証明やメールで請求しておけば、とりあえず安心なのでは?と思うかもしれません。

そう簡単ではありません。

問題はここからで、婚姻費用や養育費の支払開始始期は、「金額」と「何歳まで」という問題とあわせて特に問題にされる争点です。

金額で争っている相手方(特に弁護士が就いている場合)は支払開始始期を争ってくる場合が多いです。

裁判所は調停段階では、例え内容証明郵便で請求している案件でも、大体「調停申立て時からでよろしいですか?」と述べて説得してきます。

審判になっても反応が渋い裁判官は多いです。

余計な争点が増えるという点で、解決までに余計な時間がかかります。

また、婚姻費用や養育費の支払開始始期は、裁判所の合理的裁量とされており、内容証明郵便送付時とされることが多いといっても保障はありません。

あるいはメール等の文言次第では「確定的な請求意思の表明」とまではいえないなどと評価されるかもしれません。

離婚事件に不慣れな弁護士が陥りがちなのですが、婚姻費用の交渉はダラダラとやってはいけません(逆に義務者側はダラダラとやってきます)。

婚姻費用や養育費については、金額の合意が出来るのか出来ないのか早期に見極め、調停の申立てをするか否か、一日でも早く判断することが重要です。

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