
親権(監護権)は子供にとっても親にとっても一生にかかわる問題
こんにちは。相模原の弁護士の多湖です。
今日は子供の親権,監護権についての話題です。
子供の親権,監護権は子供にとっても親にとっても一生にかかわる問題です。面会交流の相場はせいぜい一か月に一回。
離婚されても子供たちと良好な関係を維持されている方は一杯いらっしゃいますが,どうしても一緒に暮らしていないと疎遠になってしまいがち・・。
進学について一緒に悩んであげたい。就職について力になってあげたい。結婚式には立ち会いたい。子供の成長を見守りたい。自分が子供を守ってあげなきゃ。孫を可愛がる自分の両親のためにも。
皆様,様々な思いを抱えて離婚のご相談にみえます。
突き詰めれば,お金の問題は後で取り返しがつくかもしれませんが,親権や監護権は取り返しがつきません。
親権や監護権が争点の場合は,絶対に弁護士を付けてください。婚姻費用や養育費もそうですが,法律相談をしていると,専門家をつけてしっかり戦えば,本当は勝てたんじゃないかなという方がたくさんいらっしゃいます。
結果はどうなるかもちろん分かりませんが,自分の中で,最大限ベストを尽くさなければ,必ず後で後悔すると思います。
さて,本日は,親権(監護権)審判のカナメ,「調査官調査」って一体何をするの?というご質問についてご説明します。
家裁調査官とは
家裁調査官をGoogle先生に聞いてみると
http://www.courts.go.jp/saiyo/message/tyousakan/
裁判所のホームページが出てきます。
「離婚,親権者の指定・変更等の紛争当事者や事件送致された少年及びその保護者を調査し,紛争の原因や少年が非行に至った動機,生育歴,生活環境等を調査します。」
「家庭裁判所調査官になるためには,家庭裁判所調査官補として採用後,裁判所職員総合研修所に入所し,約2年間の研修を受ける必要があります。」
と書かれています。
親権でいえば,親や子の生活環境等を調べて,現状の監護等が子の福祉に合致するかどうかを調査するわけです。
私の友人にも家裁調査官がおりますが,法曹より家裁調査官の方が自分には向いていると言っていましたね・・。
調査官調査は非常に重要
親権や監護権の指定をするのは裁判官ですが,
弁護士と同じ法律の専門家であって(試験も司法試験),裁判官は子供の環境を調査する専門家ではありません。
家裁調査官とはそこが大きく違います。
そのため,裁判官としても専門家である家裁調査官の意見というのは非常に重要視します。
そのため,望む結果を得るには,調査官調査に万全の態勢で臨むのは非常に重要なのです。
言葉で言いつくろってもあまり効果はない
調査官調査の実際として,親としての自分をよく見せようと様々な言葉を調査官に投げかけても調査官はほとんど判断要素にしていない印象です。
やはりプロですから,表面上のものには惑わされないのでしょう。
私も仕事なので,調査官調査のポイントについて,あまり具体的には書けないですが,調査官は親と子の自然な関係性を色々な角度から見ていると思います。
色々な角度というのは,親の言葉以外の部分にも重きを置いているということです。
もちろん基本的な教育方針等は,親との会話の中から把握しているところもあると思いますが,調査報告書を分析していると,親子の行動や表情,家の中の様々なもの,状況,言葉意外の色々な所からとにかく多くの事実を拾っています。
争点になっているところを尋問のように何度も当事者に聞くことはしません。
なので,「相手方がここを攻撃しているからここを準備しておこう。」と想定問答集などを用意しておいても,多くの場合,ほとんど触れられずに終わり,拍子抜けすることになります。
終わってみるとあっさり終わった感想を持つ調査官調査ですが,実は,短い時間で色々な所を見ているのです。
それでも準備できるところはある
調査官調査の前に色々と取り繕ったところで,見透かされてしまうところも多いですが,それでも取り繕った方がいいところというのもあります。
むしろ「それすらやっていないのか。」というところは調査官調査において,非常にマイナスポイントです。
今日にでも準備できることもあります。
私も,調査官の家庭訪問の前には,必ず家庭訪問をさせて頂いて,直してほしいところはご指摘させて頂いています。
例え一行でも,調査官報告でその点が評価されているとやはり弁護士冥利につきます。
結果は分からないことも多いが・・
判断するのは裁判所ですから結果については確かに分からない部分もありますが,自分が望む結果が得られるように,最大限自分に有利な状況を作り出せるようにしておくことは出来ます。
そのお手伝いをするのが弁護士です。
離婚事件でお悩みであれば早めのご相談をお願いいたします。