バイトテロ動画をインスタグラムに投稿する前に読むべき弁護士のブログ

 

相模原の弁護士の多湖です。

 

祝日ですが,残業しています。

 

最近,飲食店を舞台とした「バイトテロ」なるものが話題になっていますので,バイトテロについての解説です。

 

お子さんがアルバイト決まったらこのブログを一読させてください。

絶対「バイトテロ」なんてしませんから。

 

バイトテロとは

 

バイトテロとは、飲食店小売店アルバイトの形態で雇用されている店員が店の商品(特に食品)や什器を使用して悪ふざけを行う様子をスマートフォンなどで撮影し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿して炎上する現象を指す日本の造語。

 

【出典】

ウィキペディアより抜粋

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%AD

 

昔は,「バイトテロ」とは言わなかったように思いますが,最近はこんな造語にまでなっていたのですね・・。

 

〇〇寿司とか〇〇ミャンとか〇〇イレブンとか普段から使いますから利用者側としては普通に恐怖でしかありません。

 

バイトテロは犯罪です。イタズラや出来心では済まされない。

 

「バイトテロ」と呼ばれるものの多くは,業務妨害罪(刑法233条,234条)という犯罪にあたり,3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。

 

動画の内容にもよりますが,第三者に「汚い。怖い。もうあの店行きたくない。」と思わせるものは,これに当たる可能性が高いです。

 

最近は企業側も,再発防止策の一環として刑事告訴を積極的に行っていかざるを得ない状況にありますから,刑事告訴されることも現実的なこととして捉えておかないといけません。

 

一度,刑事告訴されれば,警察から厳しい取り調べを受けることとなります。

前科がついてしまえば,そのあとの就職にも甚大な影響が出ます。

 

刑事だけでなく民事上の責任も問われる。

 

バイトテロの場合,お店に損害を与えたらその賠償金も支払わなければなりません。

 

〇〇寿司さんのように従業員の行為が原因で,株価が数億円(時価総額)下落しても,それを会社や株主に払わなければならないということはほとんどないはずです(法的な責任追及は厳しい)。

 

しかしながら,事件の調査のために,営業を停止しなければならなかった部分の営業損害や,調査のために余計にかかった人件費,機材の買い替え費用,場合によっては再発防止の設備費等は損害賠償義務の範囲内に入る可能性があります。

 

事案にもよりますが,大きい企業であれば,それこそ数百万円から数千万円といった損害賠償請求が来る可能性があります。

 

過失による行為であれば,従業員の賃金の高さや地位も考慮し,従業員の責任の範囲も狭めて判断されるかもしれません。

 

しかし,バイトテロのような故意に会社に損害を与えている行為の場合,損害の範囲についても,裁判においてかなり厳しい戦いになることが予想されます(いくら給料が低くても分かっててやったのだから仕方ないよねという価値判断は働きます)。

 

自分だけの責任ではなく両親が責任を問われることもある。

 

アルバイトを始める時に,ご両親は身元保証書の差し入れを求められていませんか?

 

また,あなたが未成年だった場合,両親が監督責任を民法709条(不法行為責任)により問われることがあります。

 

もちろん,これらによる請求は一定の法的なハードルがありますが,企業側としては,多くの場合,資力が乏しい本人よりも,両親の責任をやはり追及してくることが多いでしょう。

 

ご両親の責任は結果的には,認められないかもしれません。

しかしご両親はそのために年単位の多くの時間と多額の弁護士費用を払わないといけないのです。

 

悪意の賠償責任は自己破産では消えない。

 

バイトテロが悪意(害意)をもってやったと認定されると,

民事上の責任は自己破産でも免責されず,文字通り一生背負わなければならないかもしれません。

 

自己破産でも消すことが出来ない可能性があるのです。

 

その場合,借金を返済するために生きることになります。

本当に恐ろしい事態です。

 

一番怖いのは「炎上」。

 

そして,法的な責任よりも何より一番怖いのは「炎上」です。

 

はっきり言って,「不特定多数」というのは一番の暴力です。

 

氏名と経歴をさらされ,自宅を特定され,ネットでさらされ続けます。

あなたが正社員として就職活動をしたいと思ったとき,一生の重しになってしまいます。

 

よく,ネット上の記事を削除して欲しいという相談がありますが,

ネットの情報を消すのは本当に難しいケースも多いのです。

 

特に前科情報等の記事は,公益性があるということで消せないことが多いです。

 

今の世の中「コピペ」や「スクショ」を取るのは本当に簡単です。

すぐに拡散されます。

 

絶対バレないとか,友達だけなら大丈夫だろうとは安易に思ってはいけません。

 

バイトテロは自分に対するテロ行為

 

バイトテロは自分に対するテロ行為です。

 

刑事上の責任,民事上の責任,事実上の制裁,それらを一身に受けて,それによって得られるものって何でしょうか。

 

フォロワー数?一瞬の楽しさ?会社に対する抗議?

いずれも他の方法で獲得ないし実行できるものです。

 

「こんな大事になると思わなかった。」

初めて犯罪を犯して逮捕された人が,弁護人に対して必ず口にするセリフです。

 

自分がやらないのは当然ですが,

友達が悪ふざけを計画していたら,友達として全力で阻止してあげてください。