弁護士コラム
【弁護士コラム】令和8年4月1日以降の自転車の交通反則制度の導入

こんにちは。相模原の弁護士の多湖です。
道路交通法が改正され、令和8年4月1日から自転車の交通違反に関し、交通反則制度(いわゆる青切符)が導入されます。
警察では、自転車の違反行為や正しい乗り方に関する周知が行われています。これは4月1日以降、自転車について取り締まりを本格的に行うためだと考えられます。
反則金も罰金に比べれば低いと言っても、手痛い金額のものも多いですから交通法規の遵守について改めて注意が必要です。
● 道路交通法の改正について 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html
● 警視庁 自転車の交通ルール
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/rule.html
● 自転車ルールブック 令和7年9月 警察庁交通局
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/rulebook.pdf
青切符とは
自動車を運転するものにはなじみが深いですが、【青切符】とは交通反則告知書というのが正式名称です。
青切符は、比較的軽微な道路交通法違反に発行されるものです。
通常、道路交通法違反をすると、検察官等の起訴により刑事上の処分に処せられることが原則ですが、交通違反の数が多く、全てについて検察官が起訴したり、前科をつけるのは現実的ではないことから、違反が軽微なものについては、所定の反則金を支払うことで、交通違反に関する手続きが終了し、「前科」もつかないという行政手続が用意されています。
これが今回、自転車にも導入されることになりました。
政府や警察の説明によると、背景にあるのは、スマホの普及等による自転車の事故の急増とのことです。
この反則金については、支払わずに無視し続けると行政処分の枠組みを外れ、原則通り刑事手続きに移行し、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断された場合は、最悪、逮捕されることもあるため、注意が必要です。
具体的な違反行為
自転車の青切符の対象年齢は16歳以上で、高校生も対象です。代表的な違反行為と反則金は以下の通りです。
(1) 自転車を運転しながら携帯電話の使用
反則金1万2000円
(2) 自転車の放置駐車
<高齢運転者等専用場所以外>
駐車禁止場所 9000円
駐停車禁止場所 1万円
<高齢運転者等専用場所>
駐車禁止場所 1万1000円
駐停車禁止場所 1万2000円
※少しの時間停めるだけだからと、自分で契約した駐輪場以外に停めたり、外出先の利用施設から指定された駐輪場以外に自転車を駐車して自転車から離れないように気を付けましょう。
(3) 通行区分違反(歩道走行や道路の右側走行)
6000円
※自転車による歩道の走行が許されるのは、道路交通法63条の4の1項に定めがあり、
➀道路標識により自転車の通行が認められているとき、➁13歳未満、70歳以上、➂内閣府令で認められた身体の障害を有する者の場合、➃車道又は交通の状況に照らして普通自転車の通行の安全を確保するため、やむを得ず歩道を通行する場合が挙げられています。
なお、やむを得ず歩道を走行する場合は、歩道の中央より車道側を(個別に標識による指定がある場合は指定場所)徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げる場合は、一時停止が必要です。「徐行」とは、車両が直ちに停止できるスピードをいいます。
そのため、どうしても車道を走れず、歩道を走る場合には大人の早歩き程度(時速6km程度)の速度にとどめ、特に歩行者が多い場所では自転車を降りて、自転車を手で押した方が無難です。
(4) 信号無視
6000円
(5) イヤホン装着、傘さし運転
5000円
※イヤホンは骨伝導や、オープンイヤー型の場合であっても、安全運転に必要な音が聞こえない音量と判断された場合は、違反となります。令和5年7月25日付で警察庁交通局が発出している「警察庁 丁交指発第86号、丁交企発第187号」では、警察官の声掛け等に対する反応等を違反の判断基準の一つにすると書いてあります。
(6) 無灯火
5000円
※夕方以降は、自転車を発進させる前にライトが点灯するか確認しましょう。
(7) 合図不履行(手信号※ウィンカーの代わり)
5000円
※ 街中で自転車の方の手信号を見かけるのは稀ですが、今後は義務化されるので、自動車の運転手も覚えないといけないですね(学生以来です。)。
(8) 指定場所一時不停止等
5000円
※ 一時停止について、自動車は厳しく取り締まられてきましたが、自転車は取り締まりがほとんどされていない状態で、交通事故の賠償の視点からも、これを理由に多くの交通事故が発生していました。今後は自転車も青切符の対象になります。これからは白バイ等が、交差点先の脇道で待っていて、自転車の一時停止を取り締まることになるかもしれません。
(9) 並進(並走)禁止違反
3000円
※ 学生時代はよく並走をみかけましたが、今後はなくなりそうです。
(10) 軽車両乗車積載制限違反(二人のり等)
3000円
※6歳未満でかつ未就学児の同乗については、今後は一定の安全基準に適合する幼児2人同乗用自転車でなければ、同乗させることができなくなります。
(11) ヘルメットの着用
引き続き努力義務です。
それ以外にも多くの禁止行為がありますが、基本的には通常の自動車やバイクと同じような禁止行為(規制)があると思っておけば大丈夫です。
今回の改正は厳罰化なのか?
今回の改正は、青切符の導入であって、対象行為はもともと道路交通法で禁止された行為であるため、厳罰化ではないと言われています。
例えば、もともと自転車でハンドサインを出さない場合の罰金は5万円とされています。
もっとも、事実上、自転車については自転車の違反が多すぎて、これまで警察や検察が刑事事件として取り締まっていなかった点を、青切符(行政処分)で簡便に取り締まれるようになった結果、反則金自体は本来の罰金よりかなり安いですが、取り締まり件数が大幅に増える可能性があるため(正直、高校生なども対象に含まれるため、自動車よりかなり違反が多くなると思います。)、実態としては、厳罰化に近いとも言いえるかもしれません。
また、自転車は、保険加入が自治体ごとに義務化が急速に進んでいるため、自転車に乗る際には自転車保険に加入しているか併せて確認をしましょう。
今後、かなり自転車の取り締まりが厳しくなることが予想されていますから、令和8年4月1日以降に自転車に乗る方は、「これまで何も言われなかったのにどうして。」とならないように、道路交通法が定める自転車の交通法規を一から見直すように、気を付けましょう。
私は正直自信がないので、自動車だけにして、自転車に乗るのを諦めようと思います…。
以 上
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